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教頭ブログ


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トビタテ留学Japan 13

さて、最終週。今日のは長文です。


13日目 (8月15日)

月曜日。一週間の始まり。フィリピン滞在最後の週が始まります。

いつも通り5時に起床し、 朝ごはんを食べようと思ってダイニングルームへ向かったら、 ホストマザーから「今日は休校だからまだ寝てなさい。」 と言われました。実は昨日の夜、かなり雨が降ったそうです。

休校ということで気が抜けたのか自分の部屋に戻ったらいつの間に か寝落ちしていました。

僕は普段から二度寝は極力しないようにしています。 何故かと言うと二度寝をすると必ず金縛りに合うからです。
今回も例外ではなく、金縛りにあい、 どうにか収まってからふと時計を見ると6時半。 一時間半も寝てしまっていました。 その後なかなか金縛りの違和感が抜けない中、 少し滞納してしまっていたレポートのまとめ作業をしました。

午前10時半。今日のメインイベントの始まりです。 実は今日はホストファミリー宅のあるAlabang Hills Village のすぐ外側にある貧困層の人達が住む地域を訪れる予定になってい るのです。
まず、south ridge schoolに向かい、 今日同伴してくださる先生と合流したあと、 目的地に向かいました。


今日訪れる貧困層の住む地域は、 一種のコミュニティになっていて、 村長を中心とした自治組織が形成されているところなのだそうです 。

その地域に車で入って行くと、 多くの子供やお年寄りたちが一斉にこっちを振り向き、 たかってきました。
車から降りて最初に感じたのは「ニオイ」。 今まで嗅いだことのないような異臭が漂ってきました。(結局この ニオイはホストファミリー宅に帰ったあとも服に残り続けました)

最初に向かったのは村長たちがいる建物。
そこに向かう途中、 周りの建物を見ると、殆どの建物がトタンや木材でできていて、 中には今にも崩れそうなくらい傾いている建物もあります。



また、 路上には犬の糞がたくさん落ちていて、 ちょっとでも注意を怠るとすぐに踏んでしまいそうになります。





日本ではあまり見られませんが、 フィリピンにはストリートドッグと呼ばれる犬が沢山います。 ストリートドッグは野良犬とは少し異なり、 飼い主に捨てられたりした犬のことを指します。 このストリートドッグたちがたくさんの糞を落としていくのです。

村長のいる建物はこの村では珍しくコンクリート製で、 目立つようにペンキでカラフルに色が塗られていました。 中に入ると、 村長と村の自治会のメンバーの人達が笑顔で迎え入れてくださいま した。



まず、 村長さんはこの村の居住者のリストを見せてくださいました。 この村には1000以上の家族が住んでいるとのこと。 こんな小さい地域にそれほどの人が住んでいるということはかなり の人口密度になります。村長さんはその1000以上もある家の中 から、僕のためにわざわざ3つの家をピックアップし、 インタビューできるように手配してくださっていました。



ひとつ目の家は老夫婦が住む家。 骨盤に病気を抱えて寝たきりのおじいさんを、 かなり腰の曲がったおばさんが世話していました。 実はこの寝たきりのおじいさんはかつては警察官だったそうなので すが、骨盤の病気のせいで失職し、 現在のような生活を余儀なくされているとのこと。また、 収入源はおばあさんが毎日洗濯をして稼いでいる僅かなお金。「 薬などもろくに買うことが出来ず、ほんとに大変です。」 と泣きながらおっしゃっていました。

二つ目の家は一人のおばあさんとたくさんの子供達が住む家。 その子どもたちのうちの一人が癌におかされ、 寝たきりになっていました。お金が不足していて、 治療もたまにしか受けることが出来ず、 かなり良くない状態にあります。
実は癌が発覚したのは今年の七月。 そこからあっという間に転移が進み、 いまではしゃべることさえできなくなってしまいました。
口を開けることが出来ないため食べ物は鼻の穴に刺したチューブか ら食道に流し込みます。見た目もかなりやせ細っていて、 余命は一年未満と宣告されているそうです。



最後に訪れた家は今年のはじめ頃に脳卒中を起こし、 寝たきりになったおじいさんとそれを看病するおばあさん、 そしてその子どもや孫が住む家です。
実はこの寝たきりになっているおじいさん、去年の12月頃までは バリバリ現役で働いていたそうなのですが、 脳卒中を発症して以降、様々な後遺症に苦しんでいるのです。
おばあさんの話では、あと数週間もすれば(後遺症の一環で)失明 するだろうとのことでした。



ちなみにこの老夫婦の間には子供が2 0人いてそのうちの10人は既婚なのだそうです。 しかしそのうち親への仕送りができているのは三人。 残りの人達は自分の生活をするのに精一杯なのです。
子供が必死で働いて送ってきた仕送りと、 自分たちで稼いだお金を足しても治療費には遠く及ばないのが現状 。非常に深刻な問題です。


ここでフィリピンの一般的な家族関係について説明します。
フィリピン人は家族の絆を何よりも尊重することで有名です。
日本では自分の生活は自分の稼いだお金でやりくりするという考え が最近メジャーになってきています。(中には働かない親が子供に 仕送りさせて、 子供を苦しめるという社会問題も多く存在しますが…)
それに対し て、フィリピンでは子供が幼いうちから出稼ぎに出たり、 家業を手伝ったりすることが一般的と言われています。(ここで一 般的と書いたのは、フィリピンの富裕層では核家族化が進み、 日本のように自分たちの生活は自分たちでやりくりするという考え が広まってきているため。)
より多くの稼ぎを得たい親は子供をた くさん作ります。
そうやって人口が増えていくと、 手に職を得ることが出来ず、暇をもてあます人が出てきます。 そういう人たちがたくさん子供を作ってしまうことも少なくありま せん。
しかし、 彼らはその子どもたちを養うだけの収入を稼ぐことが出来ない。 結果的に人口と貧困がともに拡大していくのです。
実際、 フィリピンの人口は拡大傾向にあり、現在1億人ほどで、 貧困層の割合も依然として高い水準を保っています。


さて、 このようにしてフィリピンの貧困層の人たちの様子を書いていると 、読んでいる皆さんのなかには、「 彼らは相当不幸な暮らしをしているのだなぁ。」 と思う人もいるかもしれません。
しかし、 彼ら自身はむしろ自分たちの生活を楽しんでいます。
子供たちはバスケットボールをしてワイワイはしゃいでいますし、 大人たちも商店や惣菜屋さんなどで談笑しています。
日本では余裕のある生活を送れるだけのお金を持っているのにもか かわらず、日々の仕事・家事・勉強に追われ、 毎日暗い顔をして生きている人も多く見られます。(僕も その一部かもしれませんが…)

今日、 貧困層の人たちが暮らすコミュニティを訪問して思ったのは「 幸せってなんだろう?」ということです。
お金?、大きな家?、 高級車?、
それとも地位?、名声?
きっと今挙げたどれも幸せを形成する要因の一つではあると思いま す。 しかしそれだけでは何かが足りないのは誰が見ても明白なことでしょう。
この隙間を埋めるものが何なのか?
このご時世だからこそ大事になってくるテーマではないでしょうか 。​​

とても重たい文章になってしまいましたが、因みにこの後、 同伴してくださった先生と一緒にフィリピン料理レストランに行き 、鶏肉料理とハロハロというスイーツを頂きました(美味!!)





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